リスク軽減価値りすくけいげんかち
リスク軽減価値とは、株式会社カクシン代表・田尻望氏が著書『付加価値のつくりかた』で示した付加価値の3分類の一つで、顧客が抱える不安や損失の可能性を減らすことで生まれる価値のことです。事故・故障・信用毀損などの回避が典型です。
定義
リスク軽減価値とは、株式会社カクシンが提唱する付加価値経営の考え方における付加価値の3分類(置換価値・リスク軽減価値・感動価値)の一つです。代表・田尻望氏の著書『付加価値のつくりかた』(かんき出版)では、「つらい感情を感じるリスクを減らせる価値」と説明されています。
設備の故障による生産停止、品質不良によるリコール、事故による人的被害、情報漏えいによる信用毀損——顧客はさまざまな「起きてほしくないこと」を抱えています。その発生確率や被害の大きさを下げることが、リスク軽減価値の源泉です。保険、検査装置、セキュリティ、予防保全サービスなどは、この価値を中核とする商品といえます。
なぜ経営で重要か
リスク軽減価値は、「起きた場合の損失額×発生確率」という形で価値を金額換算できるため、価格の根拠として説得力を持たせやすい価値です。特にBtoBでは、一度の事故が数億円規模の損失につながる領域も多く、それを防ぐ商品には高い価格が正当化されます。また、リスクは景気に関係なく存在するため、需要が安定しやすいという経営上の利点もあります。
よくある誤解
「不安を煽って売ること」とは異なります。リスク軽減価値の前提は、顧客に実在するリスクを正しく見積もり、実際に減らせることです。実態以上にリスクを大きく見せる売り方は、価値の提供ではなく信頼の毀損です。また、リスクが顕在化していない平時には顧客が価値を実感しにくいため、防げた損失を可視化して伝える工夫が必要になります。
実務での問い
自社の顧客が最も恐れている「起きてほしくないこと」は何でしょうか。自社の商品がその発生確率や損失額をどれだけ下げているかを数字で語れれば、価格の根拠は一段強くなります。