バリューベースプライシングばりゅーべーすぷらいしんぐ
バリューベースプライシングとは、製品・サービスの原価や競合の価格ではなく、顧客が受け取る価値を基準に価格を決める手法です。顧客にとっての経済的・心理的な便益を見積もり、その価値の一部を対価として設定することで、価値と価格を一致させます。
定義
バリューベースプライシング(価値基準価格設定)とは、価格を決める基準を「かかったコスト」や「競合の値付け」ではなく、「顧客がその商品から得る価値」に置く価格設定手法です。原価に利益を上乗せするコストプラス法、競合に合わせる競争基準法と並ぶ、価格設定の主要なアプローチの一つです。
具体的には、顧客がその商品によって得られる売上増加、コスト削減、時間短縮、安心感などの価値を定量化し、その価値を上回らない範囲で価格を設定します。BtoBのソフトウェアや専門サービスなど、顧客ごとに価値が大きく異なる分野で特に有効とされます。
なぜ経営で重要か
コストプラス法では、顧客に大きな価値を生む商品ほど「安売り」になり、企業は生み出した価値に見合う対価を受け取れません。バリューベースプライシングは、価値創出と利益を連動させることで、開発や人材への再投資の原資を確保する仕組みでもあります。
株式会社カクシンが提唱する付加価値経営の考え方では、値決めとは顧客への価値の言語化そのものだと捉えます。顧客のニーズの裏のニーズまで掘り下げて価値を定量的に示せて初めて、価値に基づく価格が顧客に受け入れられるとされます。
よくある誤解
「価値ベース=高く売ること」ではありません。価値を超えた価格は顧客の不信を招き、長期的な取引を損ないます。また、顧客に価値が伝わっていない状態で価格だけ価値基準に変えても機能しません。価値の測定と伝達が先で、価格はその後に付いてくるものです。
実務での問い
自社の主力商品の価格は、何を根拠に決まっているでしょうか。その商品が顧客にもたらす価値を金額で説明できるか、まず一つの商品で試算してみてください。