ニーズの裏のニーズにーずのうらのにーず
ニーズの裏のニーズとは、顧客が口にする要望(顕在ニーズ)のさらに奥にある、顧客自身も明確に自覚していない本質的な目的や潜在ニーズのことです。株式会社カクシンが提唱する概念で、これを捉えて叶えることが高付加価値につながるとされています。
定義
ニーズの裏のニーズとは、顧客が言葉にする要望の背後にある、本質的な目的のことです。株式会社カクシンが提唱する付加価値経営の考え方の中核概念であり(「ニーズの裏のニーズ」は同社の登録商標)、代表・田尻望氏がキーエンスでのコンサルティングセールスの経験をもとに体系化しました。
例えば「もっと速い装置がほしい」という要望の裏には、「納期遅延をなくしたい」、さらにその裏には「主要顧客からの信頼を守りたい」という目的が隠れていることがあります。顕在ニーズに応えるだけの提供は期待通りの付加価値にとどまりますが、顧客自身も気づいていないニーズを叶えたとき、それは期待を超える高付加価値になるとされます。
なぜ経営で重要か
顕在ニーズは競合にも見えているため、そこで戦えば同質化と価格競争になります。ニーズの裏のニーズは顧客への深い問いかけと観察によってしか見えず、先に捉えた企業だけが独自の提案を組み立てられます。キーエンスの世界初・業界初の製品開発も、この潜在ニーズの探求を起点とすることで知られています。営業だけでなく、商品企画・開発の起点としても機能する概念です。
よくある誤解
「顧客の要望を聞くこと」と同じではありません。要望をそのまま叶えるのは顕在ニーズへの対応であり、裏のニーズは「なぜそれが必要なのか」を掘り下げてはじめて見えます。また「顧客の言うことを疑うこと」でもありません。要望を尊重した上で、その目的を共に明らかにしていく姿勢が前提です。
実務での問い
直近に受けた顧客の要望を一つ選び、「そもそも何のためにそれが必要なのか」を二段階掘り下げてみてください。その答えに対して自社ができることが、次の提案の付加価値になります。