
IBJ、婚活の「成功データ」を価値に変える
IBJが約2万人の成婚データを分析した「成婚白書」を公開。成婚者は平均11人と出会い4カ月で決断──。高額といわれる結婚相談所の料金を、成功への再現性という価値で説明する取り組みです。
高めの料金の根拠を、実績データで語れずにいる
蓄積した成果データが、価格の説得力になっている
何が起きたか
結婚相談所ネットワークを運営するIBJは2026年4月9日から、約2万人の婚活ビッグデータを分析した「2025年 IBJ 成婚白書」を毎週木曜、全15週にわたって公開しています。成婚者は平均11人と出会い、4カ月で結婚を決断──。同社は2025年に成婚数2万組を突破し、日本の婚姻の約4.1%を担う規模に成長、会員数は10万人を超えています。
顧客は誰で、何に困っていたか
顧客は、結婚を望みながら出会いの機会や進め方に悩む人たちです。マッチングアプリという安価な選択肢が普及した今、結婚相談所の料金は割高に見えます。しかし顧客の本当の困りごとは「出会えない」ことだけではありません。「この活動を続けて、本当に結婚に至るのか」が見えないまま、時間と気力を消耗することです。何人と会えばよいのか、いつ決断すべきなのか。正解の分からない活動を手探りで続ける不安こそが、潜在的な困りごとの中心にあります。料金の高低よりも先に、この不安に答えられるかどうかが問われているのです。
付加価値の構造──売っているのは出会いではなく「再現性」
成婚白書が示すのは、成婚に至った人たちの行動パターンです。平均11人と出会い、4カ月で決断する。第二弾の分析では、20代は半年で成婚し40代より4.7カ月早いことも示されました。この数字は、婚活という不確実な活動に「地図」を与えます。
- 会員数や出会いやすさで比較される
- 料金の高さがためらいになる
- 成果に至る再現性で選ばれる
- 成功確率への投資として納得される
機能は、約2万人の成婚データの分析と公開。便益は、何人と会い、いつ決断すべきかの目安が分かること。価値は、遠回りしない婚活──つまり人生の貴重な時間の節約です。出会いの数を競うサービスとは、売り物の次元が異なります。
そしてこのデータは、成婚数2万組という事業規模がなければ作れません。成果の蓄積がデータになり、データが次の顧客への説得力になる。規模が価値を生み、価値が規模を呼ぶ循環構造です。
値決めへの接続
結婚相談所の料金は、アプリと比較すれば高額です。しかし「日本の婚姻の約4.1%を担う実績」と「成婚者の行動データ」が示されたとき、顧客の頭の中の比較対象が変わります。アプリの月額料金と比べるのではなく、結婚という人生の目標に確実に近づくための投資として評価される。価格を下げずに納得を得るとは、こういうことです。成果データの公開は広報施策であると同時に、高価格を支える「価格の根拠づくり」そのものだと考えられます。
今日の問い
あなたの会社には、顧客の成功事例が何件蓄積されているでしょうか。そしてそれは、次の顧客への「価格の根拠」として語れる形になっているでしょうか。成果のデータは、営業トークより雄弁に価格を正当化します。請求書の金額を説明するのではなく、顧客が得る成功の確率を示す──自社の実績を白書にまとめるとしたら何が書けるか、考えてみてください。
本記事は、株式会社カクシンが提唱する付加価値経営の視点でニュースを解説するものです。


