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鳥貴族、390円均一でも利益が伸びる理由

外食・サービス居酒屋均一価格値上げ値決め

鳥貴族を展開するエターナルホスピタリティグループの2025年8月〜2026年4月期は純利益37%増。全品均一価格という「わかりやすさの約束」が、値上げへの納得を生む構造を解説します。

現状

値上げは品目ごとに小刻みに行われ、顧客には全体像が伝わりにくい

理想

価格体系そのものが顧客との約束となり、改定しても納得が保たれている

何が起きたか

鳥貴族を運営するエターナルホスピタリティグループの2025年8月〜2026年4月期は、純利益が前年同期比37%増となったと日本経済新聞が報じました。国内の鳥貴族が業績を牽引しています。同社は2025年5月に全品均一価格を370円から390円へ改定済みで、値上げ後も国内既存店は堅調な伸びを続けていると報じられています。

鳥貴族 全品均一価格(税込)の推移(円)
370 2025年4月まで 390 2025年5月〜
出典: 株式新聞(2025年3月11日)

顧客は誰で、何に困っていたか

顧客は、同僚や友人と気軽に一杯やりたい生活者です。居酒屋選びの隠れたストレスは、メニューの価格がバラバラで、飲み会の会計が読めないことにあります。頼むほどに膨らむ伝票、幹事の気苦労、「安い店のはずが意外と高くついた」という後味。物価上昇期にはこの不安が増幅します。鳥貴族が応えているのは「安く飲みたい」だけではなく、「いくらになるか分かった上で、気兼ねなく楽しみたい」というニーズです。

付加価値の構造──価格体系そのものが商品

機能は全品390円均一の焼き鳥居酒屋。便益は、何を頼んでも単価が同じだから、会計がほぼ人数×皿数で読めること。そして価値は、値段を気にする心理から解放されて、選ぶことが楽しみに変わる時間です。

機能
フード・ドリンク全品390円均一の焼き鳥居酒屋
便益
何を頼んでも会計が読める安心と選ぶ楽しさ
価値
気兼ねなく盛り上がれる時間への対価

均一価格の本質は安さではなく「わかりやすさの約束」です。この約束があるからこそ、値上げの局面でも構造が活きます。品目ごとに小刻みに上げる方式では、顧客はどこで何が上がったのか把握できず、漠然とした不信だけが残りがちです。鳥貴族の場合、改定は「全品370円→390円」という一行で伝わり、顧客は自分への影響を即座に計算できる。価格の透明性が、値上げの説明責任を果たす装置として働いているのです。

値決めへの接続

同社の値上げは今回が初めてではなく、コスト環境に応じて均一価格を段階的に引き上げてきました。それでも国内既存店の成長と大幅増益が続いているのは、値上げのたびに「約束の形」が守られてきたからと考えられます。顧客が買っているのは串一本の原価ではなく、会計の読める楽しい時間。その価値が保たれている限り、均一価格の水準変更は約束の破棄ではなく、約束の更新として受け入れられます。値決めの信頼は、価格の安さではなく一貫性から生まれるという好例です。

今日の問い

あなたの会社の価格体系は、顧客に一言で説明できるでしょうか。複雑な料金表は、一つひとつは合理的でも、全体として顧客の不安のもとになっているかもしれません。値上げの前に、まず「価格の約束」を分かりやすく設計し直す余地はないか、考えてみてください。

本記事は、株式会社カクシンが提唱する付加価値経営の視点でニュースを解説するものです。

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